相続ブログ

2023年11年29日

相続登記義務化の正当な理由

もうすぐ開始される相続登記義務化

令和6年4月1日から相続、遺言により不動産を取得した相続人は、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならなくなります。この制度が開始されると、正当な理由がないにもかかわらず申請をしなかった場合には、10万円以下の過料が科されることがあります。放っておいた結果、登録免許税の支払いにプラスして過料が科されることにもなりかねません。そうならないためには、相続登記をすればいいのですが、できない場合もあり得ます。そのような場合の、正当な理由とはどのようなことなのでしょうか。

正当な理由の例

①相続登記を放置したために相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の必要な資料の収集や他の相続人の把握に多くの時間を要する場合

②遺言の有効性や遺産の範囲等が争われている場合

③申請義務を負う相続人自身に重病等の事情がある場合

相続人申告登記

この相続人申告登記を申し出ると相続登記の申請義務を履行したものとみなされます。上記の正当な理由の例を見るとわかりますが、相続登記が申請できなくてもやむを得ないと認められるかどうかというところが判断基準のひとつとなりそうです。しかしながら、①の例では通常相続人の把握だけで3年以上かかるケースがあるとは思えません。戸籍の広域交付が開始されると尚更それだけでは理由として弱いように感じます。行方不明者がいて不在者財産管理人の選任が必要な場合であったとしても同様です。②や③では3年以上かかることもあるでしょう。例として挙げられているからといって大丈夫とは言えないケースもありそうなため、時間がかかりそうだなと感じたら相続人申告登記をしておいた方が無難だと思われます。

最近過去の相続についてのお問い合わせが増えており、相続登記の義務化への関心の高さがうかがえます。年数が経っていると、数次や代襲などの問題も考えていかなければならないケースがどうしても増えます。気になっていることやお困りごとがございましたら、些細なことでもお気軽にお問い合わせください。

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司法書士・行政書士 森田直宏