相続ブログ

2023年05年31日

遺言の撤回と効力

撤回は簡単にできる

遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができ、前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。そのため、聞かされていた遺言の内容がいつの間にか変わっていたということも起こります。遺言書作成後に、親子喧嘩に発展し、遺言者が故意に遺言書を破り捨てるなど破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなされることになります。

撤回をなかったことにできるか

撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しません。つまり、撤回すると前の遺言の効力が復活しないことになります。ただし、撤回が錯誤、詐欺又は強迫による場合は、前の遺言の効力が復活します。

公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回することはできるか

遺言の方式によって遺言書の優劣が決まるわけではありません。原則通り後でされた遺言の効力が優先します。このことは先の遺言が公正証書によるもので、後の遺言が自筆証書によるものであっても変わりません。

遺言が全部撤回されるとは限らない

前の遺言と後の遺言とで抵触する部分についてのみ、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされるため、後の遺言さえあればいいと思って破棄しない方がいい場合もあります。撤回も遺言の方式に従ったものでなければその効力を生じませんから、少しだけの変更だからといってなんでも許されるわけではないことに注意が必要です。遺言書の変更や撤回などの作成前に気になることは些細なことでもお問い合わせください。

いなべ市、桑名市、東員町、菰野町、木曽岬町、朝日町、川越町、四日市市、鈴鹿市、亀山市、津市の相続登記、預貯金や株式などの遺産整理業務、遺言、相続放棄、成年後見、家族信託のご質問やご相談は土日祝日でも承ります。

司法書士・行政書士 森田直宏

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