相続人の確定
被相続人の戸籍の収集から始めます。この前に死亡届や年金の手続きをされている方がほとんどだと思いますが、その時に取得するものでは足りず、出生から死亡の旨の記載のあるものまでのものが必要となります。場合によっては除票等も必要となります。
遺産の調査
被相続人の遺産すべてを把握されている場合や相続人が1人の場合はそれほど手間はかかりません。相続税申告が必要な場合や遺産分割協議をするにあたって残高証明書等が必要なケースでは、相続財産の確定のために資料の収集などの調査が必要となります。株式を保有されていた場合で証券会社がわからないという場合であっても調査をすることができます。銀行等からの借り入れがあった場合の残債の調査も可能です。
遺産分割
遺言書がなければ、相続財産と遺産が確定したら遺産分割協議により誰が何を相続するか決定します。期限が気になる方もいると思いますが、相続登記の義務化は令和6年4月1日からで、遺産分割に期限はありません。相続税申告が必要な場合は10か月以内という期限はありますが、遺産分割協議が成立していなくても、法定相続分で相続したとして申告することができます。
相続登記
相続登記は相続人複数の場合、遺言書がある又は法定相続分で登記するなどの場合を除けば、遺産分割協議書がなければ手続きすることができません。相続した不動産を売却したいが、契約は代表者一人にし、売却代金を指定の割合で分配したいといういわゆる換価分割をするには、遺産分割協議書の記載次第で単独名義にすることが可能です。繰り返しになりますが、令和6年4月1日以降は義務化になり、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。
相続放棄
遺産の調査の結果、借金があるため何も相続したくないという場合のあるでしょう。直系の相続人の1人にすべて相続させるために相続しないという場合もあります。この2つの一般的にいう相続放棄は別物です。前者は家庭裁判所を通じてする手続きになり、借金などの債務を含んで相続放棄するものです。後者は遺産分割協議で相続分を0にしたり譲渡するものになり、債務については債権者に対抗することができない場合があります。家庭裁判所を通じてする手続きには、3か月以内という期間制限があります。亡くなったことを知った日から3か月以内とは限りませんので確認が必要です。50年以上前に発生した相続の相続放棄が認められたこともあります。
できる時にやっておく
まだ大丈夫と思って先送りにしていると手遅れになることが多々あります。遺言書の作成もそうです。子供がおらず、万が一の場合に配偶者に全てを相続させたいにの遺言書を作成しておかないと、手続きに親や兄弟の関与が必要となってしまう場合がたくさん起こっています。期限がないのでもう少し後からでも大丈夫だろうと考えてしまうのでしょう。遺産分割も同様で、登録免許税を節約したいから次の相続まで待とうという選択をされる方がいました。調査をすると、不動産の名義が共有になっていたりすることがあります。他の共有者の1人が兄弟などの場合、その相続人を調査するのにも時間と費用がかかります。まだ相続が発生して間もなければ、遺産分割協議自体も成立する可能性があっても、時間が経ち、疎遠な相続人ばかりになると手続き自体が億劫になって、遺産分割調停以外の選択肢がなくなることも十分想定できます。
できる時にやっておくに越したことはありませんが、複雑化してしまった手続きの場合でも解決の糸口はあります。すでに清算結了をしてしまった会社が仮登記権利者になっている場合のその仮登記の抹消登記や休眠担保権といわれる大正や昭和初期に設定された抵当権の抹消登記などもそうです。相続登記だけを想定していても付随してやらなければならないことが、調査の結果判明することがあります。そもそも登記簿の見方がわからないということもあるでしょう。
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