相続ブログ

2023年03年22日

遺言書保管制度

自筆証書遺言

遺言書は様式行為のため、公正証書で作成されることを検討されることの方が多いかもしれませんが、自筆での遺言書の作成をまず検討される方もいるでしょう。自筆での作成を検討される方は、その内容が単純であることが多いように感じます。例えば、所有されている財産のうち、特定の財産のみの遺贈といった場合です。兄弟で共有になっている不動産を兄弟いずれかの子に相続させたいというケースですと、内容も複雑ではなく、文章もそれほど長くはならないため、自筆での遺言書作成をまず検討されるのではないでしょうか。このような場合に利用しやすいのが遺言書保管制度です。

形式適合審査あり

遺言書保管制度を利用するとその遺言書が民法所定の様式を満たしているかの外形的な適合審査を受けることができます。そのため、形式的な要件で無効とはなりません。ただ、内容的な審査はされないため、内容面を含めた遺言書の効力は担保されません。したがって、単純な遺言の場合は利用しやすい側面がある一方、複雑な遺言の場合は公正証書による方が得策であるように思います。

検認不要

遺言書保管制度のメリットとして、相続開始後に家庭裁判所の検認が不要となるということが挙げられます。また、遺言書の破棄、隠匿や改ざんなどを防ぐことができます。

指定者通知

あらかじめ指定しておけば、指定された1名に遺言書保管所で遺言者の死亡が確認できたときに、遺言書が保管されている旨の通知がされます。

遺言書の様式

遺言者が全文、日付及び氏名を自署し、押印しなければなりません。印鑑については認印でも構いません。当然ですが消えるインクでの筆記はやめましょう。遺言者の氏名は戸籍などの公的書類どおりに記載する必要があります。また財産目録については登記情報や通帳の写しなどで大丈夫ですが、毎葉に署名押印が必要です。

法務局で保管するに当たって、用紙の余白に指定がありますので事前に確認する必要があります。また片面記載で、ページ番号を記載しなければなりません。

遺言書の作成は様式行為ということもあり、作成したものの有効性が気になるところだと思います。作成前に気になることの確認したいなどは些細なことでもお問い合わせください。いなべ市、桑名市、東員町、菰野町、木曽岬町、朝日町、川越町、四日市市、鈴鹿市、亀山市、津市の相続登記、預貯金や株式などの遺産整理業務、遺言、相続放棄、成年後見、家族信託のご質問やご相談は土日祝日でも承ります。

司法書士・行政書士 森田直宏