家系図からはわからない家族関係
家系図にすると単純に見える相続でも実情はそうではないことがあります。上の家族関係では兄弟が3名となっておりますが、実はそのうちの1人が子の配偶者でかつ被相続人の養子となっています。それだけであれば特段悩む必要もないのですが、離婚や離縁はせずに別居して20年以上経っており、どこに住んでいるかもわからないようです。行方不明者以外の相続人は養子を相続から排除したい意向をお持ちですが、被相続人の死後にそれを行うことは難しいです。
相続人排除の手続き
相続人排除は、遺留分を持つ相続人が被相続人に対して、①虐待をした、②重大な侮辱を加えた、③その他の著しい非行があった場合に、家庭裁判所に請求することによってすることができます。この請求は、被相続人が生存中に行うか、遺言執行者が遺言の効力発生後に行う方法があります。つまり、被相続人の死後に相続人からすることはできないのです。また養子との関係が上手くいかなくなった、別居して関係の修復がおよそ不可能であると見込まれるようになったというだけでは上記の3要件に該当せず排除することはできません。その他の著しい非行とは、被相続人に対し精神的に苦痛や損害を与える行為のうち虐待や侮辱に匹敵する程度のものを言い、単純に素行が不良だったという程度では認められないでしょう。ただ、だからと言って何もできなかったかというとそういうわけではありません。
遺言を作成しておく
家は長男が受け継ぐといった考えが薄れつつある現代では、被相続人の意思が相続において重要であることは言うまでもありません。今回のように排除するのは難しそうなケースであっても遺言によって相続させる割合を指定することはできますし、遺留分を侵害するものであってもすることができます。もちろんその場合遺留分侵害額請求に備えた内容にしておく必要はありますが、対策ができないということではありません。遺留分対策には生命保険を活用する方法などもあります。
相続になったときのことを考えると不安なことや気になることがあればその時まで先延ばしにしないで対策を講じておくことが何より必要です。ご相談やご質問は随時受け付けておりますのでお気軽にお問合せください。いなべ市、桑名市、東員町、菰野町、木曽岬町、朝日町、川越町、四日市市、鈴鹿市、亀山市、津市の相続登記、預貯金や株式などの遺産整理業務、遺言、相続放棄、成年後見、家族信託のご相談は四日市相続センターにおまかせください。